サイト売買成約後、売主から買主へドメインを譲渡したり、売主サーバー上のサイトデータを買主サーバーに移転する作業が必要になります。
当記事ではサイト売買成約後のドメイン・サーバー移転方法を解説します。
目次
サイトを譲渡するとはどういうことか?
買主と売主が条件面で折り合い、譲渡契約書を結んだあとはいよいよサイトの譲渡です。
一般的には、以下の譲渡を行うことになります。
・ドメイン
・コンテンツ
・そして運営する上で必須となる契約
ドメインとコンテンツの譲渡について
※ドメイン及びコンテンツの譲渡をご自身で行われる場合は自己責任でお願いします
ドメインの譲渡
ドメインの譲渡はそれほど難しくありません。方法としては以下2パターンがあります。
・同一ドメイン事業者内にアカウントを作り、ドメインの権利を付け替え
・他のドメイン事業者に移転
同一事業者の中でドメインを付け替えた方がはるかに簡単です。譲渡対象サイトのドメイン事業者に買主がアカウントを作り、ドメインを付け替えるだけです。
お名前ID付け替え|お名前.com Navi ガイド|ドメイン取るならお名前.com
コンテンツの譲渡が完了し、動作確認が取れるまではネームサーバーの変更(ドメインとサーバーの結びつけ変更)は絶対に行わないで下さい。コンテンツが入っていないサーバーにドメインを結びつけてしまうと、当然、なにも表示されなくなってしまいます。
コンテンツの譲渡
サイト譲渡において最も難易度が高いのはコンテンツの譲渡です。コンテンツの譲渡のためには、データとデータベースを譲渡する必要があります。
まず、譲渡対象サイトが以下のどれに該当するか確認して下さい。
・1サーバーで1ドメイン運営しているサイト
・1サーバーで複数ドメイン運営しているサイトで、WordPressを使っている
・1サーバーで複数ドメイン運営しているサイトで、WordPressを使っていない
1サーバーで1ドメイン運営しているサイト
一般的なサーバー業者では、サーバーのアカウントの契約主を買主に変更してしまうことができます。元々ドメインに結びついていたサーバー自体の譲渡になりますので、ネームサーバーを変更する必要もありません。
契約変更 – よくある質問 | レンタルサーバー【エックスサーバー】https://www.xserver.ne.jp/support/faq/faq_contract_alteration.php
1サーバーで複数ドメイン運営しているサイトで、WordPressを使っている
WordPressにはAll-in-One WP Migrationという引っ越し用のプラグインがあります。譲渡対象のWordPressサイトにプラグインをインストールし、データをエクスポートします。
買主側は自分のサーバー側でWordPressを立ち上げ、同じくプラグインをインストールし、売主から共有されたデータをインポートするだけです。
All-in-One WP Migrationで移転に失敗するWordPressサイトもあります。例えば、PHPのバージョンが異なるサーバー間でのやりとりなどです。うまくいかず、調べてもわからない場合は次に説明する方法を試して下さい。
WordPress引越し:サーバー移行の準備方法(All-in-One WP Migration プラグイン)
All-in-One WP Migrationは512MBまで無料ですが、それを超えるサイトについては$69の有償プランを購入する必要があります。
つまり、小規模サイト以外は有償プランを使うことになります。このプラグインを使わないコンテンツ譲渡方法が少々大変なため、$69払う価値はあると思います。また、このプラグインは一度購入すれば何度でも使えます(今後変更される可能性はあります)。
1サーバーで複数ドメイン運営しているサイトで、WordPressを使っていない
※All-in-One WP Migrationを使わないWordPressサイトの移転もこちら
コンテンツ譲渡のステップ
- (売主)ドメインを譲渡先に付け替える
- (売主)データのバックアップを取る
- (売主)データベースのバックアップを取る
- (売主)データとデータベースのバックアップを買主に共有する
- (買主)サーバーにドメインを登録(ネームサーバ変更は⑧のあと)
- (買主)売主から共有されたデータベースのバックアップをインポート
- (買主)売主から共有されたデータのバックアップをインポート
- (買主)動作確認
- (買主)ドメインのネームサーバーを変更
それぞれ説明をしていきます。
①(売主)ドメインを譲渡先に付け替える
これまで説明した通りで、同じ事業者内でドメインを付け替えるのがおすすめです。他の事業者間でのドメイン移転になった場合でも、各事業者でやり方が公開されているので、さほど難しくはありません。
②(売主)データのバックアップを取る
サーバーの管理画面からFTP設定を行い、FFFTPなどのソフトを使ってバックアップを取ることになります。
WordPress引越し:プラグインを使わないサーバー移行・データベース移行方法
③(売主)データベースのバックアップを取る
サーバーの管理画面からphpMyAdminにログインしてエクスポートして下さい。
※④と⑤は簡単なので説明を割愛します
⑥(買主)売主から共有されたデータベースのバックアップをインポート
サーバーの管理画面からphpMyAdminにログインしてインポートして下さい。その際、もともとあったデータベースの内容は削除して下さい。
⑦(買主)売主から共有されたデータのバックアップをインポート
サーバーの管理画面からFTP設定を行い、FFFTPなどのソフトを使ってインポートして下さい。譲渡対象サイトがWordPressの場合、wp-config.phpを自身のサーバ用に書き換える必要があります。
⑧(買主)動作確認
少々ややこしいのでスキップしがちですが、動作確認を行わず次ステップに進んでしまうと、コンテンツ移転が失敗している場合、サイトが表示されなくなってしまいます。サイトが表示されない時間が発生するのはSEO的にも好ましくありません。hostsを設定し、強制的にサーバーを指定することで動作確認ができます。詳しくは以下のサイトを参照して下さい。
⑨(買主)ドメインのネームサーバーを変更
ドメインのネームサーバーをコンテンツ移転後のサーバーに変更して下さい。これでサイトの譲渡は完了です。
必ず動作確認をした後にネームサーバーを変更しましょう。
万が一ミスをして、サイトが長時間表示されなくなると、検索結果に長期間の悪影響を及ぼす可能性があります。また、ネームサーバーの変更が完了するまで、売主側のサーバー上でサイトデータを削除しないで下さい。
削除する際は必ずバックアップを取って下さい。
運営する上で必須となる契約の譲渡について
会社ごとの譲渡でない限り、ASPアカウントは譲渡できません。買主側でアカウントを用意して広告を張り替えて下さい。
グーグルAdsenseのアカウントやYouTubeアカウント等は微妙で、利用規約上は譲渡はできません。ただし、名義の変更はできたりします。アカウント停止など、何が起こるかわからないため、UREBAではこれらの譲渡はおすすめしていません。
譲渡が認められているかどうか、それぞれの利用規約や契約書を確認しながら作業を進めるようにしましょう。
まとめ
1サーバーで1ドメイン運営しているサイト』の移転が最も簡単です。サイト運営開始時からサイト売買を見越すのであれば、一つのサーバーにいくつもサイトを入れないようにするのがおすすめです。
あるいは、WordPressサイトをテスト的に作ってみて、サイト売買前にサーバー移転を手元で試してみるのもおすすめです。初めは戸惑うこともあるかもしれませんが、慣れてしまえばさほど難しくはありません。
サイト売買サービス提供者によってはドメイン・サーバー移転のサポートもしているので、自信がない場合は問合せをしてみるのも手です。
※ドメイン及びコンテンツの譲渡をご自身で行われる場合は自己責任でお願いします
参考:WordPress引越し:サイトの移行方法・基本の手順
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